先生の全部、俺で埋めてあげる。



「俺、今先生と同じ大学に行ってます」


「…そう」


先生はちゃんと俺の顔を見てくれなくて、それがまた俺を焦らせる。


「先生の昔のこと聞きました」


「うん…」


「だからこの場所に来ました」




「…じゃあ、彼のことも聞いたんだね」


先生をお墓を眺めながら言う。


「はい」


「じゃあ分かったよね?私のことなんてもう放っておいてよ…」


そんなの、


「放っておける訳ないじゃないですか」


先生に手を伸ばすとその手を振り払われる。


「私はまだ彼のことが好きなの!
だから里巳くんの気持ちは受け止められない。
帰って」


「彼のことがまだ好きなら!なんで一度でも俺のことを受け入れたんですか…!」


「それはっ…」



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