先生の全部、俺で埋めてあげる。



「ごめん…」


「ねえ、先生。先生が学校を辞めて、先生と会えなかった時間、俺がどんな思いをしてたか知ってますか?」


俺の問いに先生は応えてくれなくて。


「先生に会いたくて会いたくてしょうがなくて、頭がおかしくなりそうでした」


ずっとずっと苦しくて、ずっとずっと会いたかった。


「今でも俺の頭から先生が離れない」


「ごめん…」


「今でも俺っ…「ごめん…」


先生は俺の言葉にかぶせて謝った。


それ以上の言葉を、言わせないようにしているようだった。


「…本当に彼のことがまだ好きなの?」


「うん…」



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