先生の全部、俺で埋めてあげる。

「その本、面白いよね」

「え?」

「私も好きだよ」



まさか彼女の方から話しかけてくるなんて思ってもいなかった。



「俺も好きです」



本の内容なんて全然知らないクセに。

俺は、何に対して好きだと言ったのか、この時は分かっていなかった。

< 8 / 338 >

この作品をシェア

pagetop