先生の全部、俺で埋めてあげる。




長い長い夏休みが終わって、2学期が始まった。


まだまだ暑さが残る中、俺は学校へ向かった。




先生に会うのは約1ヵ月ぶり。


会いたいような、会いたくないような。


よく分からない気持ちだった。




チャイムが鳴ってHRが始まる。


久しぶりに教室で見る先生はやっぱりキレイで。


かわいくて。




胸が苦しくなった。




先生が点呼で一人一人名前を呼ぶ。


「里巳夕惺くん」




先生は俺の目を見て、名前を呼んで。


「はい」


久しぶりに先生と目が合う。




それだけで心臓が波を打つ。




苦しい。




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