桝田くんは痛みを知らない
プロローグ
「イラナイ」
――――悪魔だ。
サラサラの黒髪に対比する、白い肌。
切れ長の鋭い目。
スラリと長い脚。
一見、王子様みたいなのに――
「まだ、なにも言ってないでしょ?」
よく見ると耳に、数えきれないくらい、ピアスがついていて。
女の子が一生懸命、
気持ちを込めて書いた手紙を
たった四文字で切り捨ててしまうなんて。
「見ればわかる。オマエの手にあるそれが、くだらないものってことくらい」
わたし、和泉古都(いずみ こと)は、
桝田義久(ますだ よしひさ)を敵と見做(みな)す。
――――悪魔だ。
サラサラの黒髪に対比する、白い肌。
切れ長の鋭い目。
スラリと長い脚。
一見、王子様みたいなのに――
「まだ、なにも言ってないでしょ?」
よく見ると耳に、数えきれないくらい、ピアスがついていて。
女の子が一生懸命、
気持ちを込めて書いた手紙を
たった四文字で切り捨ててしまうなんて。
「見ればわかる。オマエの手にあるそれが、くだらないものってことくらい」
わたし、和泉古都(いずみ こと)は、
桝田義久(ますだ よしひさ)を敵と見做(みな)す。
< 1 / 300 >