桝田くんは痛みを知らない
 それから、えみるトイレに移動して

 桝田くんと同じ気持ちになれたことを伝えると


「おめでとう!」

「……ありがとう」


 えみるは、祝福してくれた。


「ビックリした?」

「んー、あたしは。こうなる気がしてたんだよね」

「そうなの!?」

「宗田先輩には悪いけど」


 ペロッとえみるが舌を出す。


「マサオミくんに悪い……?」

「あー、今のは。なんでもない」

「え?」

「上手くいったなら、安心した。さて。教室戻ろうか」


 一度にすべてを報告できなかった。

 する必要もないと思う。


 きちんと、わたしの言葉で桝田くんとのことを話していけたらいいな。
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