桝田くんは痛みを知らない
結局、下校時刻まで残れる人が残って準備を進めた。
なので、桝田くんのこと
かなり待たせてしまったわけなのだが――
【自習室にいる】
交換したばかりの連絡先から
最初に届いたメッセージは、桝田くんの居場所だった。
「おまた……せ」
ガラリとした自習室の机に顔を伏せて眠っていた桝田くんの寝顔が、すごく綺麗で。
「………寝てるの?」
起こすのが、なんだか勿体なくて。
しばらくそのまま見つめていたくなるけれど――
「下足場の扉の鍵、しまっちゃうよ」
トントン、と軽く肩を叩いて起こす。
「先生に見つかったら。はやく帰れーって、言われるよ?」
パチリ、とまぶたを開けると
少しボーッとしたあと
「……ああ。コトリ」
って、桝田くんがつぶやいた。
「おまたせ」
「終わった?」
「うん。っていうか、下校時刻過ぎてる」
「そんな時間か」
なので、桝田くんのこと
かなり待たせてしまったわけなのだが――
【自習室にいる】
交換したばかりの連絡先から
最初に届いたメッセージは、桝田くんの居場所だった。
「おまた……せ」
ガラリとした自習室の机に顔を伏せて眠っていた桝田くんの寝顔が、すごく綺麗で。
「………寝てるの?」
起こすのが、なんだか勿体なくて。
しばらくそのまま見つめていたくなるけれど――
「下足場の扉の鍵、しまっちゃうよ」
トントン、と軽く肩を叩いて起こす。
「先生に見つかったら。はやく帰れーって、言われるよ?」
パチリ、とまぶたを開けると
少しボーッとしたあと
「……ああ。コトリ」
って、桝田くんがつぶやいた。
「おまたせ」
「終わった?」
「うん。っていうか、下校時刻過ぎてる」
「そんな時間か」