桝田くんは痛みを知らない
考えてもみなかった。
先輩と、お付き合いするためには。
ただ先輩から好かれるだけじゃダメなんだ。
手を握りたいとか。
抱きしめたいとか。
キス、したいとか。
そんな、特別な気持ちになってもらう必要があるんだね!?
「……でも。キスって。そんな雰囲気、どうやって出すの?」
昼休み、清掃当番で保健室にやってきたわたしはホウキで床をささっと掃く。
他の人は、まだご飯を食べてるのか。
それとも忘れているのか。
なんにせよ、ひとりぼっちで掃除中。
「いきなりする気になれないってことは。時間かけてなら。可能ってこと?」
10年も家族ぐるみで付き合いのある、お兄さん相手に。
「空気。どうやって変えればいいの」
恋愛って、難しすぎる。
「嫌われてはないと、思う。たぶん。でも……うう……」
「ブツブツうるせえ」
先輩と、お付き合いするためには。
ただ先輩から好かれるだけじゃダメなんだ。
手を握りたいとか。
抱きしめたいとか。
キス、したいとか。
そんな、特別な気持ちになってもらう必要があるんだね!?
「……でも。キスって。そんな雰囲気、どうやって出すの?」
昼休み、清掃当番で保健室にやってきたわたしはホウキで床をささっと掃く。
他の人は、まだご飯を食べてるのか。
それとも忘れているのか。
なんにせよ、ひとりぼっちで掃除中。
「いきなりする気になれないってことは。時間かけてなら。可能ってこと?」
10年も家族ぐるみで付き合いのある、お兄さん相手に。
「空気。どうやって変えればいいの」
恋愛って、難しすぎる。
「嫌われてはないと、思う。たぶん。でも……うう……」
「ブツブツうるせえ」