桝田くんは痛みを知らない
 マサオミくんは。

 わたしと、行きたいの……?


「昔、家族で行ったことあったよね」


 マサオミくんの家族と、わたしの家族で行った。


「うん」

「古都ちゃん、すごく楽しんでたろ。またあんな風に笑ってもらえたらなって」

「マサオミくん……」

「1日くらい勉強休んでも大丈夫だって。それだけ普段頑張ってるんだから」


 やっぱりマサオミくんは、わたしを甘やかすのが、上手だ。


「ちなみに、これ1枚で4人まで入れるから。えっと、えみるちゃんだっけ。あの子を誘ってみたら?」


 …………!!


「そうすれば。五十嵐、ついてくるだろ。これで4人」


 2人ってわけじゃ、なかったんだ。

 わたし。


 なにを勝手に勘違いして…………


「行く!」

「じゃあ、えみるちゃんに連絡よろしくね」
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