桝田くんは痛みを知らない
「明日、朝から予定がありまして。というか。お泊りはお母さんの許可が、さすがに出ません。男の子の家に来たのだって、実質、初めてのようなものなのに……」

「かーわい♡」


 と、頭を撫でられる。


「ええっ」

「ヨシヒサが気にいる理由、わかるなあ」

「……ほんとですか?」

「2人は。もうチュウしたの?」


 ――――!?


「まだかなー。その感じだと。まあ無理もないか。ヨシヒサのやつ、見た目に反してうぶだから」

「……うぶ?」

「意外に奥手でしょ」


 奥手、ではないような。


「ヨシヒサくんは……」

「おいセクハラ執事。古都から離れろ」


 シャワーを終えリビングにやってきた桝田くん。

 ゆったりした部屋着をきて、濡れた髪をタオルで拭っている。 
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