桝田くんは痛みを知らない
 トレーニングルームと言われて、ジムのような部屋を思い浮かべる。


 この広さに執事に運転手。

 おまけにプールまであるのだから、今更そのような部屋があると聞かされても驚きは少ない。


「……新鮮」

「へ?」

「俺の部屋にコトリいるの」

「あー、そうだよね。わたしも。不思議な感じがする……」


 グイッと腕を引かれ、ソファに座らされる。

 というか、桝田くんの上に。


「お、重くない?」

「べつに」

「……保健室では。重いって」

「そんなこと言ったか?」

「言ったよ。自分が腕引っ張って抱き寄せたクセに」

「忘れた」


 って、それより。

 2人寝転んでもまだスペースありそうなソファに、こんなにくっついて座らなくてもいいんじゃないかな!?


「映画でも見る?」


 目の前には、大型液晶テレビ。
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