桝田くんは痛みを知らない
 カレシの部屋で映画デート……!

 なんかすごく素敵だ。うん。


「そういえば、ノアさんが。部屋になにかある、みたいなこと。言ってたんだけど。それで女の子が来るってわかったみたいなことも」

「…………アイツ。俺の部屋の掃除は自分でするから入んなって言ってるのに。入りやがったな」

「なに買ったの?」

「なんでもいいだろ」

「え、教えてくれないの……?」

「気が向いたら教えてやるよ」


 気が向かなかったらナイショなの!?


 わたしを膝からおろし、ソファにちょこんと座らせると、テーブルの上のタブレットを手に取り「なに見る?」と渡された。


「これで見るの?」

「ちげえよ。それで選んで、テレビでかける」

「ハイテク!!」

「フツウだろ」

「借りにいかなくていいんだね」

「借りにいく?」

「ビデオ屋さんに」

「……オマエ半世紀前からタイムスリップしてきた人間か?」
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