桝田くんは痛みを知らない
「通り魔みたいなひどい事件や理不尽な事故のニュース見ても。自分がこの世から消えちまうことに対しての儚さみたいなのは感じても、怖いって気持ちには、周りとの差分を多分に感じてる」
「うん」
「そういうところは。ある意味、無敵なのかも」
「無敵?」
「どんなに恐ろしい武器持ってる相手が目の前にいても。怯むことなく、戦える」
…………本当に?
「中学時代にさ。俺が学校で目立ってることをよく思わないガラの悪い先輩から、呼び出されて。タバコの煙を顔に吹きかけられたことがあって」
桝田くんは、佇んでいるだけで目立つ。
美しいから。
「脱げって言われた」
「なんでそんなこと……」
「女みてーな顔してるから。ついてるか確認してやるよってな。下品な連中だろ? キモすぎ」
「脱いだの?」
「まさか。近づけてきたタバコの火。脅しのつもりだったそれを素手で消してやったら、ビビりやがった」
「うん」
「そういうところは。ある意味、無敵なのかも」
「無敵?」
「どんなに恐ろしい武器持ってる相手が目の前にいても。怯むことなく、戦える」
…………本当に?
「中学時代にさ。俺が学校で目立ってることをよく思わないガラの悪い先輩から、呼び出されて。タバコの煙を顔に吹きかけられたことがあって」
桝田くんは、佇んでいるだけで目立つ。
美しいから。
「脱げって言われた」
「なんでそんなこと……」
「女みてーな顔してるから。ついてるか確認してやるよってな。下品な連中だろ? キモすぎ」
「脱いだの?」
「まさか。近づけてきたタバコの火。脅しのつもりだったそれを素手で消してやったら、ビビりやがった」