桝田くんは痛みを知らない
タバコの火は、かなり高温だと聞いたことがある。
「ヤケド、したんじゃない?」
熱さがわからなくても。
皮膚は焼けただれてしまうよね?
「たしかに。700℃くらいあるから。下手すりゃ大ヤケド」
その言い方だと、大事には至らなかったのかな。
「親指と人差し指の、第一関節の間の皮膚は。案外分厚いんだ」
「そうなの?」
「躊躇せずに、一瞬で消すのがコツ。まあ。真似するのはオススメしないけど、根性焼き作られるくれえなら、自分から傷作った方が数万倍マシだ」
わたし。
これ以上、このひとに、傷ついて欲しくない。
桝田くんが、両手で自分の顔を覆う。
どんな表情をしているかわからない。
「そんな俺でも。オマエが。アイツの。……宗田のモノになるかもって、思うと」
もっと近くで、見たい。
「……死ぬほど。苦しい」
「ヤケド、したんじゃない?」
熱さがわからなくても。
皮膚は焼けただれてしまうよね?
「たしかに。700℃くらいあるから。下手すりゃ大ヤケド」
その言い方だと、大事には至らなかったのかな。
「親指と人差し指の、第一関節の間の皮膚は。案外分厚いんだ」
「そうなの?」
「躊躇せずに、一瞬で消すのがコツ。まあ。真似するのはオススメしないけど、根性焼き作られるくれえなら、自分から傷作った方が数万倍マシだ」
わたし。
これ以上、このひとに、傷ついて欲しくない。
桝田くんが、両手で自分の顔を覆う。
どんな表情をしているかわからない。
「そんな俺でも。オマエが。アイツの。……宗田のモノになるかもって、思うと」
もっと近くで、見たい。
「……死ぬほど。苦しい」