桝田くんは痛みを知らない
「はい」


 戻ってきたマサオミくんの手には、チュロスが3本。


「ハニーレモンは、古都ちゃんで。他のは適当に買ったから、2人でわけて」


 そういって、五十嵐先輩とえみるにも、渡す。


「ありがとうございまーす!」

「悪いな」


 五十嵐先輩とチュロスの組み合わせ。

 ……かわいい。

 というか、

 意外な組み合わせだなと感じていたら、

「こんな顔して甘党なんだよ〜」ってえみるが教えてくれた。


「こんな顔で悪かったな?」

 五十嵐先輩が、はにかむ。


「えー、ギャップ萌えだよ〜!」

「物は言いようだな」

「怒った!?」

「全然」

「だよね♡」


 えみるの先輩だいすきオーラが目に見えまくりだ。


「美味しい?」


 と、マサオミくん。


「うん。おいしい……!」

「宗田先輩、買わなくて良かったんですかー?」


 食べずに写真撮影してるえみるが、マサオミくんに問いかける。

 ああ、わたしも撮ればよかった。


 ……もしここにヨシヒサくんがいたら、

『花より団子だな』って言って、またイジワルに笑ってくるんだろうな。
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