桝田くんは痛みを知らない
 頭の中が、グチャグチャになって。

 心が、かき乱されていく。


 あんなにヨシヒサくんとの未来を描いていたのに。


 なにも、見えなくなりそう。


「桝田が君を好きだとか。一緒にいたいとか。他にも。甘い言葉、かけてきたかもしれないけど。彼が好きなら。止めてあげるのが優しさだよ」

「……優しさ?」

「友達でいなよ。桝田とは」


 …………トモダチ?


「ドキドキなら。これ以上、感じられないくらいのもの。僕が古都ちゃんにあげるから。ね?」
< 246 / 300 >

この作品をシェア

pagetop