桝田くんは痛みを知らない
「まだ間に合う」

「……なにが?」

「僕を選んで、古都ちゃん」


 …………!!


「僕の方が、君を幸せにできる。愛してあげられる。苦労かけないし。わがままだって、いっぱいきいてあげる」


 そういうと、マサオミくんが、わたしを抱き寄せた。


「わかる? こんなにドキドキするんだ。古都ちゃんと、いたら」


 大きく、鼓動してる。

 マサオミくんの心臓。


「押しつぶされそうなんだ」


 …………え?


「古都ちゃんの心に僕以外の男がいるなんて考えたら。……苦しくて、たまらない」

「っ、マサオミくん……」

「見ないで。他の男」

「可愛がりたい。古都ちゃんのこと。いっぱい。女の子扱い、させてよ」
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