桝田くんは痛みを知らない
えみるが。
……わたしに、救われた?
「だからこそ。俺に、オマエを近づけようとした。きっと仲良くなれると信じて。松嶋はな。俺を、救おうとしたんだ」
ラブレターじゃ、なかった。
「初恋、だったらしい。俺のこと。なんつーかガキの頃の思い出話で。今は俺にそんな気持ち微塵もねえし。五十嵐先輩にゾッコンだけどな」
それでも
その手紙には、たしかにえみるの想いが詰まっていた。
「松嶋に言われたよ。オマエが宗田を選ぼうが俺を選ぼうが、どっちでもいいって。ただ、幸せになってもらわないと困るから。中途半端な気持ちで手を出して傷つけるなら、近づくなって」
「えみるが、そんなこと……」
「もちろん俺だって古都には幸せになってもらわないと困るって即答したがな」
……わたしに、救われた?
「だからこそ。俺に、オマエを近づけようとした。きっと仲良くなれると信じて。松嶋はな。俺を、救おうとしたんだ」
ラブレターじゃ、なかった。
「初恋、だったらしい。俺のこと。なんつーかガキの頃の思い出話で。今は俺にそんな気持ち微塵もねえし。五十嵐先輩にゾッコンだけどな」
それでも
その手紙には、たしかにえみるの想いが詰まっていた。
「松嶋に言われたよ。オマエが宗田を選ぼうが俺を選ぼうが、どっちでもいいって。ただ、幸せになってもらわないと困るから。中途半端な気持ちで手を出して傷つけるなら、近づくなって」
「えみるが、そんなこと……」
「もちろん俺だって古都には幸せになってもらわないと困るって即答したがな」