桝田くんは痛みを知らない
 さっきまで離れたところにいたのに。

 わたしのこと見てもいなかったのに。


 シン……と静まる会場。

 固まった空気を変えたのは、


「まさかの、宗田会長からの告白かー!?」


 司会者。


「さあさ会長。聞かせてくださいよ。僕のかわいい女の子、って〜?」


 穏やかな表情を浮かべている、マサオミくん。

 なにを、考えているの?



“古都ちゃんの心を取り戻すためなら”


“どんな卑怯なことでも、してしまうだろう”


“壊してでも。僕のモノにするよ”


“僕は君の弱点を知っている”


“君が守ろうとしてるものを。僕は。卵を握りつぶすくらい簡単に壊せるんだ”
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