桝田くんは痛みを知らない
 司会者が、目を見開く。

 会場がどよめく。


「怒涛の三角関係ということなのかー!?」

「いいや。フラれてる」

「なるほど、フラれ……えぇ!? な……なんと。すでに告白をッ!?」

「うん。だから。僕の片想い」

「…………」

「たぶん。永遠の」


 これには司会者も、固まってしまう。

 が、


「そんな会長。王子くんにひとこと、ありますか」


 神妙な顔つきで、マサオミくんに問いかける。


「そうだな。もしも、古都ちゃんを泣かせたら。そのときは。火炙りの刑にしよう」

「恐ろしすぎるぞ〜!! よ! 甘いマスクの冷酷会長!!」

「はは。おかしな肩書きつけないでくれる?」

「アナタになら火炙りにされてもいい! そんな女子が集まりそうですね?」


 とんでもない会話だけれど、司会進行うまいなあ。


「そうだなあ。こんな僕のこと慰めてくれる子がいるなら。是非とも生徒会役員に立候補してね」

「……生徒会?」


 目を丸くさせる、司会者。
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