桝田くんは痛みを知らない
「大変そうだと思われがちだけど、中には部活と両立してる生徒もいるし。ここでの経験は糧となる。きっと、将来役立つ。

こうして今日を無事に迎えられたのも役員の日々の努力。そして、やはり協力してくれるみんなのおかげ。学園生活は全員で作っていくものだから。

その代表として指揮をとってみたい人はいるかな?

夏休み明けに、選挙が始まる。

新役員には僕からきちんと引き継ぎさせてもらうことになるから。よろしくね」


 こんなにも注目された場所で。

 即興で考えたスピーチを堂々と披露するマサオミくん。


 全員が、口を閉じ

 マサオミくんの話に聞き入っている。


 マサオミくんが話し終えると、


「さすが会長。こんなときにも抜かりないー!!」


 会場から拍手が起こる。


「宗田会長、やめないで〜」


 涙目でそんなことを訴えている子もいれば


「立候補してみようかな」


 と興味をしめしている子もいる。
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