桝田くんは痛みを知らない
「さっきはごめん。あんな目立つ告白して、古都ちゃんに恥ずかしい思いさせちゃったね」

「全然だよ」


 むしろ、感謝してるよ。

 だってマサオミくんは、


「ステージで固まってるわたしのこと助けてくれたんだよね?」

「桝田への告白なんてさせてやるものかって思ってね。邪魔したかっただけさ」

「ほんとかな」

「生徒会の宣伝もできたしね」

「さすがすぎるよ」

「惚れ直してくれた?」

「……っ」

「あー、ダメだな。2人きりは。自制きかなくなる」


 そういって、マサオミくんが立ち上がる。


「最後尾、並ぶ元気ある?」

「……ある!」

「じゃあ行こうか」

「うん」


 教室から出ようとしたとき、


「――古都ちゃん」


 うしろから、抱きしめられた。
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