桝田くんは痛みを知らない
#01 オンナのテキ
#01
「なんなの、あのひと。女の敵だな!?」
10分後、SHR前の教室で。
わたしは学年イチのモテ男子をディスった。
ディスりたくもなる。
「『イラナイ』って、なに!? 信じられない!! わたし、声かけただけだよ?」
「やっぱり受け取ってもらえなかったかー」
ため息をついたのは、親友の、えみる。
中学からの友人だ。
さっきの手紙を書いた張本人で、わたしが桝田くんに渡すところをコッソリ見ていた。
「やっぱり……って?」
「全滅らしいんだよね〜。入学してから2週間。彼に近づいた女子は数知れず。ところが告白成功するどころか、1人も連絡先すら交換できてないんだってー」
そんなにアタックされてる人だったのか。
「こんなこと言うのなんだけど。あんなひと、やめておきなよ」
「なんでー?」
「なんでって。そりゃあ。……悪魔、だから?」
「うーん。たしかにドSで取り付く島もないって感じだけど。あんなにカッコいいと。それも魅力の一つっていうか。桝田くんになら踏まれてもいいかな〜って」
なにを言い出すの、えみる。
「なんなの、あのひと。女の敵だな!?」
10分後、SHR前の教室で。
わたしは学年イチのモテ男子をディスった。
ディスりたくもなる。
「『イラナイ』って、なに!? 信じられない!! わたし、声かけただけだよ?」
「やっぱり受け取ってもらえなかったかー」
ため息をついたのは、親友の、えみる。
中学からの友人だ。
さっきの手紙を書いた張本人で、わたしが桝田くんに渡すところをコッソリ見ていた。
「やっぱり……って?」
「全滅らしいんだよね〜。入学してから2週間。彼に近づいた女子は数知れず。ところが告白成功するどころか、1人も連絡先すら交換できてないんだってー」
そんなにアタックされてる人だったのか。
「こんなこと言うのなんだけど。あんなひと、やめておきなよ」
「なんでー?」
「なんでって。そりゃあ。……悪魔、だから?」
「うーん。たしかにドSで取り付く島もないって感じだけど。あんなにカッコいいと。それも魅力の一つっていうか。桝田くんになら踏まれてもいいかな〜って」
なにを言い出すの、えみる。