桝田くんは痛みを知らない
「おはよー。さてさて。デートのことを聞かせてもらおうか……って」
翌朝、教室で。
登校してきたえみるが、わたしの顔を見て驚愕した。
「目、どしたの」
昨日の夜、泣きすぎたせいで。
瞼が腫れ、人相が変わって。
…………もはや別人レベル。
「ついてきて!」
*
「失礼しまーす」
先に、えみるが中に入る。
やってきたのは保健室。
先生がいるかどうかの札は“不在”になっているが――
「氷嚢(ひょうのう)借りまーす」
「えっ」
えみるが冷蔵庫を漁りだした。
「さすがに勝手に使うのは……」
「いいのいいの。あたし保健委員だから」
そういう問題?
「入室記録だけ、ざっと書いて。チャイムなるまでには戻ろ。問題あれば先生から呼び出されるでしょ」
翌朝、教室で。
登校してきたえみるが、わたしの顔を見て驚愕した。
「目、どしたの」
昨日の夜、泣きすぎたせいで。
瞼が腫れ、人相が変わって。
…………もはや別人レベル。
「ついてきて!」
*
「失礼しまーす」
先に、えみるが中に入る。
やってきたのは保健室。
先生がいるかどうかの札は“不在”になっているが――
「氷嚢(ひょうのう)借りまーす」
「えっ」
えみるが冷蔵庫を漁りだした。
「さすがに勝手に使うのは……」
「いいのいいの。あたし保健委員だから」
そういう問題?
「入室記録だけ、ざっと書いて。チャイムなるまでには戻ろ。問題あれば先生から呼び出されるでしょ」