芦名くんの隠しごと
胸が鳴る。
眩暈がする。
あまりにも情報過多で、私には受け止めきれそうになかった。
“白楼”
あまりにも綺麗で優しい響き。
意味はわからない。
けれど、私が抱いていた“暴走族”のイメージの名前からはかけ離れていて。
「………月森、お前が芦名を狙う理由は知らねえが、」
楓さんの、射抜くような眼。
私に向けられたものではないのに、ゾクリとした。
「───ウチの仲間に手ぇ出したら、ころすぞ」