芦名くんの隠しごと
*
「………ただいま」
「ただいま、です。心配かけてすみませ………」
「野乃ーっ!」
「わっ、藍ちゃん」
みんなに謝りきる前に、藍ちゃんが飛びついてきた。
「く、苦しいよ……」
「もー!心配だったんだからね!」
よく見てみると、藍ちゃんは涙目で。
本当に申し訳ないことをしたな、と改めて思った。
「ご、ごめんね……」
「………藍、気持ちはわかるけど。説明しないといけない。………白楼のことを」
神妙な面持ちで、楓さんが口を開く。
「………野乃ちゃんにも、ぜんぶ。俺たちの知ってることは、話さないといけないときが来たんだ」
「……そっか。孝也さん、奥使っていい?」
「……うん、わかった」
重い空気が漂う。
きっと、こうなったのは私のせい。