芦名くんの隠しごと



どうも私は、とことん人付き合いに向いていないらしい。


関わることすら難しいのに、関われたって、相手を怒らせてしまうなんて。


「……夏樹はあー言ってたけど、あれ、自分のことも入ってるんだよ思うよ」


「……おい、藍」


「兄貴は少し黙ってて。大丈夫。夏樹の気持ちをぜんぶ言うわけじゃないから」


まただ。見えない壁。きっと永遠に埋められない、みんなとの絆。

私だけ“幼なじみ”じゃないから、どうしようもないのはわかってるのに、夏樹くんのことも芦名くんのこともわからないことが悔しい。


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