芦名くんの隠しごと
「まあ、あいつも、ここにいるのはほんの少しだし、寝るためだけに来るような部屋だからさ。……やっぱ、寂しいよね」
それに、そもそも寝に来ることだって少ないし。
そう付け加えてまた、孝也さんは困ったように笑う。
「あの、なんで芦名くんは……」
「こんな生活してるのかって?」
私が言いたいことを先に口にした孝也さんに、コクリと頷く。
「さあね。康生に聞きなよ」
「でもっ、」
芦名くんはきっと、わたしには───
「だいじょーぶだって。今の康生なら教えてくれるよ、きっと」