芦名くんの隠しごと
「そうなの?」
「うん。だから大丈夫なの。今着替えてくるから、少し待っててくれる…?」
「もちろん。そんな可愛い野乃を、他の奴には見せたくないしね」
「……っ、ずるいよ、芦名くん」
さっきから、もっと好きにさせるようなことばっかり言ってくるなんて。
「…諦められる気がしない」
なんて、もうとっくにそんな気はしないこと、わかってるんだけど。
それでも、さらに彼に溺れてしまいそうで、少し怖い。
この気持ちを諦めなきゃいけなくなったとき、わたしは本当にそれができるのかな───。
「野乃、」
「え…?」
「お願い、俺を諦めないで」