芦名くんの隠しごと



「芦名お前、そんなキャラだったのか……」


「そうだよ。悪い?」



ひたすら唖然とするクラスメイトに、どこか勝ち誇ったような笑みを浮かべる芦名くん。

たじろぐそのクラスメイトは、よく芦名くんと一緒にいる、人気者の男の子だった。



もう、恥ずかしいとか、そんなことを考えてる暇もなく、ただ芦名くんの言葉をヒヤヒヤしながら聞くだけ。

でも、そんな時間も楽しい……なんて思ってしまっているわたしは、たぶん末期。



「悪くはねえだろ。いいんじゃねえの?そっちの方が人間っぽくて」


「なにそれ……どういう意味」


「やー、お前、たまに胡散臭いときあったからさー」



う、胡散臭い……。

彼は見抜いていたのだろうか。いや、そんなまさか。


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