芦名くんの隠しごと
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「はい、孝也特製オムライスだよ~。ケチャップはお好みでね」
「オムライス…!」
「あ、好きだった?」
「はい!」
オムライスは好き。そのうえ、誰がどう見てもおいしそうだし、夏樹くんと楓さんのお墨付き。
嬉しくならないわけが、期待しないわけがない。
「いただきます!」
「はーい。召し上がれ」
パクッと一口食べただけで、口の中にチキンライスのケチャップ味と、たまごの優しい味が広がる。
「おいしい…」
「そう?それはよかった」
安心そうに柔らかい笑顔を浮かべる孝也さんに釣られて、私も自然と笑顔になる。
「だから言ったろ、孝也さんの作る飯はうめえって」
「なんで夏樹が得意気なの」
ニカッと笑う夏樹くんと、呆れたように笑う楓さんと孝也さん。
芦名くんはそれを、微笑ましそうに眺めている。
「野乃、おいしい?」
「うんっ、幸せ……。こんなところに連れてきてくれてありがとう、芦名くん」