芦名くんの隠しごと
本当だろうか。
私がいてもいなくても、芦名くんにとっては変わらないんじゃないかと思ってしまう。
「だって、康生があんなに独占欲全開なの、野乃がはじめてだし。今まで何にも執着してなかった、あの康生がだよ?喜ぶよ」
「……ほんと?」
それを聞いてしまったら、頬が緩まないわけがない。
少なくとも、芦名くんに大切にされてる……くらいには、思ってもいいのだろうか。
「ほんとだよ。野乃がいたら喜ぶ。それに、私だって野乃ともっと仲良くなりたい」
「わ、私も……!藍ちゃんと仲良くなりたい!」
藍ちゃんに言われたことが嬉しくて、私はウキウキしていた。
藍ちゃんも同じ気持ちだったなんて、嬉しくなるに決まってる。
「じゃあ行こうよ。こんなとこで立ち話もなんだし。ね?」
「う、うん!」
「孝也さんにスイーツ頼んでおいたから。着いたらきっと、さぐ食べれるよ」
「わあ……!楽しみ……!」
それから私と藍ちゃんは、二人であの場所て向かった。