芦名くんの隠しごと




プルルルルルル……


「あ……お母さんごめん、ちょっと電話出るね」


「お友達?」


「たぶん、そうだと思う」


確認すると“藍ちゃん”の文字が。


慌てて電話に出る。


「も、もしもし藍ちゃん?」


『あ、もしもし野乃?』


「うん。どうしたの?」


『ん?康生が送り狼になってないかなって』


「送り狼……?」


送り狼って、なに……?


『康生まだいる?』


「ううん。もう帰ったよ?」


『じゃあ野乃は襲われてないんだね。よかった~』


「お、襲われ……!?」


藍ちゃんはさっきから何を言ってるのだろうか。


意味がわからない言葉ばっかり言われても、何も理解できない。


なんとなく、こんなことお母さんに聞くわけにもいかないだろうし……。


……明日にでも藍ちゃんに聞いてみようかな。


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