夕暮れのこの場所から君と始める
*
それからたくさんの話をした。
黄昏が蒼黒に変わるまで。
私の趣味は家庭菜園ってこととか。
そしたら男の子は笑って、“今度食わせてくれ”って言ってくれて。
相手の趣味は読書。内容が理解できなくても、何度も読んで、理解できた時がものすごく嬉しいと熱く語ってくれた。
学校の穴場スポットとかおいしい学食とか。
困った時は誰を頼ればいいとか。でも一番嬉しかったのはーー。
「一番はおれを頼ればいい。一緒に悩んで、一緒に笑うから。今日一緒に見た海をずっと忘れないだろうな、こういう時の光景って永遠に忘れないものなんだと思う」
「うん……。まだすぐには無理かもしれないけど、少しずつがんばってみるね」
「ああ、そろそろ帰るか。送ってくよ」
「え!?悪いよ……そんな……」
「悪いわけないだろー。じゃなきゃ今ここにいないだろー?」
二人並んでどちらともなく歩き始める。
黄昏が蒼黒に変わるまで。
私の趣味は家庭菜園ってこととか。
そしたら男の子は笑って、“今度食わせてくれ”って言ってくれて。
相手の趣味は読書。内容が理解できなくても、何度も読んで、理解できた時がものすごく嬉しいと熱く語ってくれた。
学校の穴場スポットとかおいしい学食とか。
困った時は誰を頼ればいいとか。でも一番嬉しかったのはーー。
「一番はおれを頼ればいい。一緒に悩んで、一緒に笑うから。今日一緒に見た海をずっと忘れないだろうな、こういう時の光景って永遠に忘れないものなんだと思う」
「うん……。まだすぐには無理かもしれないけど、少しずつがんばってみるね」
「ああ、そろそろ帰るか。送ってくよ」
「え!?悪いよ……そんな……」
「悪いわけないだろー。じゃなきゃ今ここにいないだろー?」
二人並んでどちらともなく歩き始める。