加瀬くんのカノジョはもうやめる。
リレーも着々と進み、
いよいよ加瀬くんの番。
走る人は加瀬くん含め4人。
うわぁ…みんな見るからに速そう。
私は自分のクラスそっちのけで、
加瀬くんを応援していた。
「加瀬くん頑張ってー!」
バンッと音がなり、みんな一斉に走り出す。
加瀬くんが内側へ入り有利になる。
「わぁ!速い!」
しーちゃんもリレーに釘付け。
…それは一瞬の出来事だった。
他のクラスの男子が、
コース外から足を出し、加瀬くんの足をわざと引っ掛けた。
加瀬くんはそのまま倒れ、足を抑えていた。
「えっ、芹奈…」
「うそ…っ」
痛そうな様子の加瀬くん。
中止になるリレー。
「…加瀬くんっ!!!!」
私はポンポンを放り投げて加瀬くんの元へ走っていた。