加瀬くんのカノジョはもうやめる。
黙ったまま靴箱へ向かう加瀬くん。
怒ってるのかな。
こんなことばっかだから、
飽きられちゃうのかな。
「加瀬くん、あの…」
「なに」
不機嫌な顔で振り返った加瀬くん。
これは怒ってる…
「さっき築島くんに話してたのはね、築島くんのことを名前で呼ぶとかそういうのじゃなくてね…」
「聞いてない」
私の話の途中で加瀬くんはそのまま歩き出してしまった。
もう何で…?
もっと近づきたいだけなのに。
加瀬くんともっと仲良くなりたいのに。
何かしようとすればするほど離れちゃう。
いつも怒らせて、
不機嫌にさせて、
傷つけて、
私加瀬くんの彼女でいいの?
笑顔にさせたいのに、
私全然できてない。