加瀬くんのカノジョはもうやめる。
「…航大くん…」
ぽろっと出たその言葉は、
こんな時に使いたかったわけじゃないのに。
「…っ」
その言葉に加瀬くんは、
自分の唇を噛み締めた。
「私に飽きちゃった…?」
そう言うと加瀬くんは私の有無を聞かずに、
私の唇を奪った。
「んっ!」
いきなりの事でびっくりして、
私は加瀬くんにしがみついた。
「…はぁ。」
離れた加瀬くんはため息をつき、
優しい眼差しで私を見つめた。