加瀬くんのカノジョはもうやめる。
「傷つけたくなくて芹奈に触れなかったのに、それが逆に不安にさせるなんて思わなかったんだ」
え?
それってどういう意味…?
「付き合う前、俺ひどいキスしただろ。」
看病した日のことだよね。
「だから、もう傷つけたくなくて、大事にしたくて触れなかった。」
付き合う前の事だったのに、
加瀬くんは私のこと考えてくれてたんだ…
「俺は…芹奈といて幸せだよ。
築島と話してるのみて不機嫌になるのも、芹奈が好きだからだし…」
加瀬くん…
「それに名前で呼んでくれるのは嬉しいけど、無理して呼ぶ必要ないから。俺は芹奈が側にいてくれればそれでいい」
加瀬くんはそう言って私の頭をポンポンしてくれた。
「加瀬くんごめんね…っ」
私は加瀬くんの腕の中でワンワン泣いた。