加瀬くんのカノジョはもうやめる。
私がそう言った以降、黙り込んでしまった加瀬くん。
なんか喋ってよ…
無言って落ち着かない。
一緒にいて落ち着く人だったら
無言でも平気だけど、
加瀬くんはそうじゃないから、
ソワソワしちゃう!!
「あの加瀬くん。」
なんか喋ってよ。と言おうとした時、
ザーーーーーーっ!!!
いきなり大粒の雨が降ってきた。
「え!!傘ないよ!!」
一気にずぶ濡れ。
「おい、走るぞ!」
加瀬くんはそう言って私の手を取り走り出した。
「ちょっと、手!!」
「うるせぇ、置いてかれたくなかったらそれくらい我慢しろ!」
なによ。
さっきまで無口だったくせに。
こういう時だけ男見せてきて…
「はぁはぁ…っ」
久々に走ったから息切れが…っ
そういえばここどこ…
「俺んちの方が近かったから。あがれよ」
「え゛。いや、遠慮します。」
「は?そんなずぶ濡れのまんま外にいるわけ?
別に俺はいいけど?」
「あ…」
だんだん冷えてきた体。
どうしよう。
どうこうなるわけじゃないけど、
男の人の部屋初めてだし…
「でも親とか…」
「いねぇよ、一人暮らしだし俺」
いや、尚更やばいんじゃ!