加瀬くんのカノジョはもうやめる。


「加瀬くん!!」

付き合ってもないのに、
この体勢はマズイってば…!!


「ん…芹奈…」

加瀬くんはそう囁き、
体を少し上げて私の顔に手を添えてきた。

「あの、加瀬くん…?」

なにこのシチュエーション。

「…お前…綺麗になったよな…」

そう言って加瀬くんは私の唇を奪った。

「んっ!!ちょっ、何して…っ」

熱が出て少し力の弱い加瀬くんを私は押し返した。

私は何とかベッドから逃げて、
加瀬くんを見ると、
何とまぁ、目をつぶって寝ていた。


「……嘘でしょ…」

何が起こったの…


『…お前…綺麗になったよな…』


綺麗になったってどういう事…?
まるで昔から私のこと知ってるみたいな口調。


熱出ておかしくなってるだけ…?



「…ファーストキス奪われた…」




加瀬くんに、



とられるなんて。





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