加瀬くんのカノジョはもうやめる。
私は薬と冷えピタを何とか探し出して、
薬を飲ませて、冷えピタを少し雑に貼って、
急いで家を出た。
「どうしよう…」
熱でおかしくなってたとはいえ、
加瀬くんとキスしちゃうなんて。
どんな顔して加瀬くんに会えばいいの…!
外は雨も上がっていて、
私はいつもより早歩きで家に帰った。
『…お前…綺麗になったよな…』
さっきの言葉が頭から離れない。
いつも意地悪なのに、
なんでいきなり…
しかもあの言葉の意味はなに…?
だけど、あの時の私は間違いなくドキドキしてた。
だから、こんなに頭から離れてくれない。
「考えたくもないのに、加瀬くんのこと考えちゃう…」
考えるな考えるな!
言い聞かせたって、
キスシーンが脳裏に浮かぶ。
ほんと…どうしよう…。