加瀬くんのカノジョはもうやめる。
ドアをゆっくり開けて、
外へ出た私。
いつも通りのおはようを…と思っていたら。
「おせぇ」
「え。」
目の前には不機嫌な彼。
「インターホン鳴らしてからどんだけ時間経ってんだよ」
「いや、1分もしないで出てきたんですけど…」
「あっそ」
あれ…
なんでだろう。
加瀬くん、いつも通りだ…
勝手に意識してたのは私だけ?
「え、あのさ…昨日…」
「昨日?あー。おかげで熱下がったわ。」
いや、うん。
下がったのは良かったけどさ…
「いや、そうじゃなくて…」
「何だよ」
「覚えてる?昨日のこと。」
「熱出て、ぶっ倒れて、お前が薬と冷えピタ用意してくれたくらい」
え…
それって…
忘れてるってことだよね…?