加瀬くんのカノジョはもうやめる。
「話って何だよ」
「私、加瀬くんのカノジョもうやめる」
「え…」
言えた。
ちゃんと言えた。
もう少し頑張って私。
足に力を入れてないと震えそうで。
「俺がカノジョできるまでって約束だろ」
「か、彼氏ができたんです!」
嘘だけど…っ。
何とか乗り切りたい。
「はぁ?誰だよ。」
「私が先に作るって言ったから…だからもう加瀬くんのカノジョは…「だから誰だよって聞いてんだよ!!」
加瀬くんは少し強く私の腕を掴んだ。
え…なんで…?
加瀬くんを見ると、
その目はすごく怒っていた。
今朝のとは違う目してる…
いつも怒らせてるけど、こんなんじゃない。
本気で怒ってるんだ。
でもなんで?
ボディーガードの代わりなんて沢山いるし、
私が絶対ボディーガードじゃなきゃダメっていう理由はない。
なんでそんなに怒ってるの…?