加瀬くんのカノジョはもうやめる。
「…あ、ごめんね、築島くん。」
私は我に返って築島くんに抱きしめられていたことを思い出しそっと築島くんを押した。
だけど、私の方が押し返されて
また抱きしめられた。
「えっ…築島くん!?」
「芹奈ちゃん…俺じゃダメ?」
「え…」
「俺が芹奈ちゃんを幸せにしたい」
それって…
「や、やだなぁ…冗談やめてよ。」
私は築島くんの腕を軽く振りほどいて距離を取った。
「俺、冗談でこんなこと言わないよ。ずっと前から好き。」
「ずっと前…?」
「そ。ずっと前。」
ずっと前っていつだろう。
二年生になりたての頃とか?
でも一年生の時も同じクラスだったからその時とか…?
「でも私…」
「返事はまだいいから。
…俺のことよく知ってから返事して?」
「築島くんのこと…?」
「そ。俺にチャンス頂戴?
一緒に帰ったり、放課後遊んだり。
それから返事して?絶対幸せにするから。」
そう言って築島くんは、
私のおでこに軽くキスをして階段を降りて行った。
「なっ…何今の…」
おでこにキスされた…
色々ありすぎて、
ついていけないんだけど…?