加瀬くんのカノジョはもうやめる。
「築島くんはどこに住んでるの?」
「芹奈ちゃんの家の近くだよ」
「え?」
何で私の家知ってるんだろう。
そういえば、
加瀬くんの家も割と近いよね。
「あの、さ…築島くん」
「何??」
「私たち同じ小学校だって知ってた…?」
私のその言葉に驚いた顔をした築島くん。
「え…芹奈ちゃん。思い出したの?」
「えっ?」
思い出した?
何を?
「何を…」
「いや、何でもないよ。早く行こう」
そう言って築島くんは、
やや早歩きで行ってしまった。
どういうこと?
思い出したって何…?
私何か忘れてるの?
確かに小学校の記憶は全然ない。
誰と仲よかったとか、
遠足の事とか、
何にも覚えてない。
でもそれって、普通だよね??