加瀬くんのカノジョはもうやめる。






「芹奈が小学生の時、いつも仲良くしてくれる男の子が2人いてね。それが、航大くんと蒼くんなの。」

ウソ…私2人と仲良かったの…?


「それで、学習発表会の日…芹奈の頭の上に照明が落ちてきて…」

お母さんの手は微かに震えていた。


「それを庇ったのが…航大くんなの。」

「うそ…」

「芹奈は突き飛ばされて無事だったけど、
航大くんは頭に照明が当たってね…何針も縫う手術まで重症だった。」


ドクンドクンと心臓の音が大きくなる。


「航大くんのお母さんは、芹奈ちゃんを守れてよかったって泣きながら言ってくれたけど、私は罪悪感でいっぱいだった。」

お母さん…

「その時芹奈は、航大くんが頭から血を出してる光景を見てショックで記憶を失ったの。」

「その時に…?」

「えぇ。それを側でずっと見守ってくれていたのが蒼くん。でもそれも芹奈は忘れちゃってるの。」

築島くんが私を…

「蒼くんは、芹奈がいきなりパニック状態にならないように常に側にいてくれたわ。」


だから築島くんは今も優しくしてくれてるの…?



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