加瀬くんのカノジョはもうやめる。
ピンポーン…
私は加瀬くんの家のインターホンを押した。
「早い。まだ準備終わってねぇ。」
加瀬くんはネクタイを結びながら出てきた。
わ…かっこいい。
って、違う!
そうじゃないでしょ!
「だって、いつも遅いって言われるし…
でも早くきたら早いって言われるし…」
「極端なんだよ。準備終わるまで俺の部屋で待ってろ」
えぇ。
私は腕を引っ張られて、
加瀬くんの部屋まで来た。
「あれ…そういえばどうして一人暮らしなの?」
「海外出張中」
「え。凄い人なんだね…」
加瀬くんの親とか会ったことあるっけ…
「加瀬くん加瀬くん」
「んだよ、うるせぇな」
「寝癖ついてるよ」
私はピョンっと跳ねてる加瀬くんの髪の毛を触った。
「…っ!」
気づけば加瀬くんの顔は赤くなってて…
「え?」
「は、早く行くぞ!」
「え、でも寝癖…」
「るせぇ!」
え、えー?
私なんか変なことした…?
そんな顔赤くなるほど怒んなくなっていいのに…
「おこりんぼ!!」
私は玄関へ急ぐ加瀬くんにそう言った。