加瀬くんのカノジョはもうやめる。
「コイツが俺の彼女。」
「は?」
ポカンな私と、
私を見つめる女の人。
「え?いや、え?」
「ほらな、心配して彼女が見にきちゃったじゃん。不安がるんで、もういいだろ」
「…っ…」
何も言えなくなった女の人はその場を走り去った。
…。
「っ…ちょっと!!何勝手なこと言ってんの!?」
「いやいや、覗き見してただろ。
だからお互い様」
「覗き見と彼女って言われるのと、レベルが違いすぎ。」
少なくとも、あの子には勘違いされちゃったじゃん!
「あ。いいこと思いついた。」
そう言って、男は私に歩み寄る。
「何…」
「これを機に、俺のボディーガードになってよ。」
「…は?」
「女に告られまくって困ってるからさ、
俺の彼女になって、俺をボディーガードしてくんない?」
この人…
バカなの?