海賊と宝石の歌姫
「カヤが心配なのは痛いほどわかるぜ」

ゴドフリーにそう言われ、セダは「すまん」と何度も呟いた。カヤのこととなると気持ちを抑えることはできない。きっと、これから先も。

セダの気持ちが少し落ち着いたところで、またカヤを探しに行こうとした刹那、パンッという大きな音と共に村の入り口のあたりから火柱が上がった。

「何だ!?」

セダたちは顔色を変え、その場所へと走る。嫌な予感しかしない。そしてそれは当たった。

「また襲いに来てやったぜ〜!!」

「海賊フェニキス様のお通りだ〜!!」

爆弾で木々を破壊し、銃や剣で村人を威嚇しながら海賊フェニキスが近づいて来る。セダたちは慌てて剣を構えた。

海賊フェニキスの船員たちが飛びかかってくる。ライリーとゴドフリーが素早く前に飛び出し、剣が交わった。

キクたちフジ族も剣を手に戦い出す。キクたちがどんな力を持っているのかセダは見たことがない。しかし、今はライリーたちがいるため力は使えないだろう。

「おや?海賊アレスの船長か?カヤを送ったら帰るんじゃなかったのか〜?」
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