海賊と宝石の歌姫
「……一回だけだぞ」

セダがそう言うと、ゴドフリーはパアッと音が付きそうな笑顔を見せる。

「やった〜!よし、負けた方は次に降りる街で酒をおごる!決定な!!」

「ライリーとも賭けをしていたのか?」

「いや、してない。セダだから賭けをする」

ゴドフリーが挑発的な笑みを浮かべる。セダの心に闘争心が燃え始める。セダの目も怪しく光った。

「お前もチェスは強いが、俺だって弱いわけじゃない。絶対に負けないからな」

「望むところだぜ」

ゴドフリーとセダが椅子に座り、不敵に笑い合う。その時、ドーンと大きな音が響いた。

「な、何だ!?」

セダが剣を手にすると、アイザックが飛び込んできた。

「海賊マーロンだ!アレスを攻撃している」

そう冷静に言うと、弓を手に甲板へと走っていく。

セダは銃を持つゴドフリーを見つめる。ゴドフリーは「やっと戦えるぜ!」と楽しそうに笑った。セダも頷き、二人同時に走り出す
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